Bioengineering Departmental Research Colloquium (BIOE 393)

BIOE 393 (Stanford)

BIOE393 (大人数でのディスカッション形式の授業)では、Bioengineeringと社会の繋がり、アカデミアにおける課題について毎回議論する。

11/1の講義

いくつかの論文誌に掲載された「アカデミアにおける問題・解決策の提案」に関する論考について議論を行なった。

講師の先生は、アカデミアのジェンダー・人種の偏りを是正するためにCell Pressがさまざまな取り組みを行なっていることに言及していた。同出版社が主催したシンポジウムでは、登壇者を全員女性であった、という事例を紹介していた。その一方で、学科長を長く勤めている女性の先生が、女性であるという理由でさまざまなアウトリーチ(特に登壇など)の依頼を男性よりも多く受けているという事例についても言及していた。仮に全ての依頼に対応していると、研究に割く時間が限られてしまう。非常に難しい問いを突きつけられたような気がした。

その事例の提示に関して、「もし自分が特定のジェンダー・人種に属するという理由で、そうした機会が自分に与えられた場合、それは受け入れられるのかどうか」という疑問が学生側から提示された。確かに研究に魅力を感じてもらって声をかけてもらいたいかもしれない。でもそうしたマイノリティにしか与えられない機会を活用して自分の研究をアピールして、結果的により面白い研究者と繋がって、面白い研究が出来れば良いという考えもあり得る。

またプエルトリコ出身の学生が、「かつての女性の指導教員が、男性の研究者と比較して、研究費を取ることに非常に難しいことを嘆いていた。」というエピソードを共有してくれた。色んな場所で起こり得る事象だと思うが、事実として心に留めておきたい。計量生物学分野の講師の先生は、ジェンダー・人種間の格差に関する統計は、母集団のサンプリングにバイアスが存在する可能性があるので、注意深く見るべきだとの見方を示していた。個人の経験談と、集団的なデータに対する見方の双方について知ることが出来るのは貴重な気がする。

講師の先生が、「私たちは、称賛よりも批評・議論によって、より良い科学を科学を追究する事ができる環境にいる。それは恵まれていることだ。」と言っていたのが印象的だった。

Reading materials

Fund Black scientists
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0092867421000118?via%3Dihub

Does gender matter?
https://www.nature.com/articles/442133a

Gender inequity in academia: The need for active dialogue
https://crosstalk.cell.com/blog/gender-inequity-in-academia-the-need-for-active-dialogue

We exist. We are your peers.
https://www.nature.com/articles/s41578-020-00248-x

Achieving diversity in Research
https://www.nature.com/collections/qsgnpdtgbr/